アシュタンガヨガを始めたきっかけ

ヨガ

ヨガクラスを持つようになってから「アシュタンガヨガを始めたきっかけは?」と聞かれることが増えた。多くの方がヨガに『癒し』『運動不足解消』『筋力・体力・シェイプアップ』などの効果を期待するように、以前は私も同じように答えていた。表向きには。

でも、本当の理由は、「どうしても空手の回し蹴りを華麗に決めたい!!!」だ。
「え?」と聞き返されるので、もう少し詳しく説明することになるのだけれど、『美容や健康のため』という答えを期待していたのだろうと思うと、空手の話になってしまって、申し訳ないなという気持ちになる。

空手はやめてしまったが、いまだに大好きだ。ヨガ歴より長くて、休んでいた期間を除いてもおそらく15年近くにはなる。私は股関節がとてもかたく、左右差もあり、蹴りが苦手なのが学生の頃からの悩みだった。10年ほど前に、しばらく休んでいた空手を再開し、母校の空手部にお邪魔して練習に参加させてもらった時のこと。組手競技は、私が現役の頃と違ってルールが改定されて、蹴りでポイントを稼がないと勝ちにくいと知った。突きオンリーな私は、「それならば、蹴りを習得しましょう!」と考えた。

友人に話したら「いったい何を目指しているの?」と言われたし、自分でも本当に何を考えていたのだろうと思うが、純粋に空手が好きだったのと、弱い自分を知っているから、どんなことにも負けない強さを必死で身につけようとしていたのかなとも思う。

『柔軟性=ヨガ』と考え、一番厳しそうなアシュタンガヨガを始めた。間もなく、ヨガの心地よさに魅了されていき、回し蹴りを繰り出して相手を倒そうなんていう気持ちにはだんだんなれなくなっていった。癒しの効果が強すぎて。

ヨガで柔軟になったのに回し蹴りを炸裂させる機会はなく、今では年に数回、以前より脚が上がるようになった自分にニンマリする程度。でも、回し蹴りがアシュタンガヨガとの出合いをくれた。

始めるきっかけは何であってもいい。自分のヨガを続けていくとスタンプがたまっていって、思いがけない特典がたくさんもらえる感じ。10年では初心者の域で、まだまだ続けていけば見えてくるものがあるのだというから楽しみだ。

強さを身に付けようと始めたヨガは、弱い自分がいてもいいのだとを教えてくれている。ヨガに限らず、興味を持ったことには、あまり難しく考えずトライしたい。

「考えるな。感じろ。」とブルース・リー先輩も仰る通り、もっとシンプルに。