仮装行進

日記

息子が通う高校の文化祭が始まった。1日目は、仮装行進。朝から雨の予報だったが、降る気配はなかった。今日まで時間をかけて準備してきたと聞いていたから、天候に恵まれて本当によかった。

息子は、山車(だし)担当らしいので、目をこらして山車周辺の子に注目していた。それなのに、いつまでたっても姿を現さない。あっという間に山車は行ってしまった。「どうしたのかな、変だな。」と、もう一度目線を向けたら、後ろの方で中腰ガニ股のまま山車を支えて歩いている姿を発見。台車が壊れかけていたようだ。行列の中、低い姿勢でいるから全く気づかなかった。

まさか、そんな格好で現れるとは思っていなかったから、少し笑えたけれど、仲間と交代しながら山車を支えたり、楽しそうに話したりしながら歩く息子の背中を見て「高校でも頑張っているのだな」というのがよく伝わってきて、安心できた。

せっかくだから、記念に中腰姿を撮ろうとカメラを持って追いかけたら、息子が私の視線を感じたのか、一瞬こちらをチラッと見て、目をそらして隠れた。わかってはいるけれど、毎回寂しい気持ちになる。いつもならすぐに退散するところだが、途中で会った仲の良いお母さん方と「せっかくだから最後まで見に行きましょう。」ということになった。

高校生になった息子達について情報交換しながら歩いていると、一人の男子生徒が行列から外れて、こちらにやって来た。「村井先生ですよね?」と声をかけてきたその生徒は、7年前に担任した教え子だった。「僕のことわかりますか?」とニコニコしながら握手を求めてくれた。息子の塩対応の後だったから、より一層感動した。背が高くてがっしりとした姿に変わっていたが、笑顔をみると当時の面影が残っていた。話しているのを見て、他の教え子も気づき、手を振ってくれた。我が子を見て帰っただけでは、少々しょんぼりしてしまっていたと思う。教え子とお母さん方に会えてよかった。

ゴールの学校に到着。息子は思いっきり油断していたようだ。私を発見するなり「まさか、ここまで来るとは!」と戸惑った表情をみせていた。でも、最後にはやっとカメラに笑顔を向けてくれた。めげずにゴールまで追いかけて来た母に観念したのかな。

高校生になってまでくっついて歩くと嫌がるとわかってるから、ほどほどにして帰ろうと思っていたが、最後まで見ることができてよかった。

明日は、午後から少し見に行けるかな。たとえツレない態度を取られても、せっかくだからもっと楽しんでみようと思う。