あせらず、あきらめず
昨年末に、ヨガ研修で東京へ行った時、IYCのモモ先生から「よくここまで一人で頑張ってきたね」という言葉をかけていただきました。自分では全く頑張っているとは思っていなくて、むしろもっと頑張らなきゃというぐらいだったので、これまでの自分まで丸ごと受け止めてもらえたようで、内側からじんわりと温かい気持ちになりました。
今までに延べ50名くらいの先生方にご指導いただき、学んだことを家に持ち帰ってヨガを続けてきました。独学の期間が長いので、アーサナ(ポーズ)の進み具合は、他の練習生と比較すると、かなり時間がかかっていて、たくさん廻り道もしました。けれど、それが自分の歩み方だったと満足しています。ヨガよりも家庭と仕事とを最優先させることを決めていたので、アーサナは自分の体を整え、向き合うためのもので、他の大切なものとのバランスを考えながら、心地よくできる週2〜3回で行なっていました。
仕事や子育てを優先させるといっても、私は不器用なので反省は残りますが、自分なりに精一杯向き合ってきたので後悔はありません。昨年で、息子が高校生になり、だんだんと親の手がいらなくなっていき(実際は、もう少しのようで…もう高校生だからと一気に緩めすぎたかなと)4月からヨガを伝えることを決めて、毎日取り入れて体が変わってきているので、途切れずに継続することの良さも実感しているところです。
毎日ヨガクラスへ通えるに越したことはありませんが、アーサナを極めることが目的だったり、伝えることを仕事にしたりするのでなければ、自分の生活を充実させ、心地よくできる範囲で続けて行くので十分かなと個人的には思っています。ヨガをすることで、自分を苦しめていたら意味がないので。でも、無理なく習慣にできる方は、太陽礼拝だけでも毎日すると変わりますのでお勧めします。
アシュタンガヨガに出会ってから、9年経ちます。過去には「まだ、そのアーサナをしているの?もっとできるはずだよ。」と言われたことがありました。その言葉は正解で、アーサナを進めるためには、定期的にスタジオに通い、毎日欠かさず練習をすることが必要でした。
でも、私の場合は、ヨガにのめり込みすぎると、家族への申し訳なさと、仕事の忙しさの中で時間を作るストレスがつきまといました。8年前に思い切ってインドへ行って学んだことがあり、Rolf先生とMarci先生のご指導や過ごした時間、インド・ゴアの環境は最高だったのですが、一番に思ったのは「ここまで穏やかでクリアな自分になれることを知ったのだから、家や職場でもなるべく維持する努力をしよう」ということでした。
子育てはあと数年しかできないのだから、次にインドへ行くのは子どもから手が離れてからでも良いし、日本にもたくさん素敵な先生方がいらっしゃるので、家族と相談しながら、できる範囲で学んでいこうと思うようになりました。結果的には、インドへ行ったことによって、自分の大事なものを見定めて、足元をもう一度しっかり固めることが大切だと気づくことができました。大切なものは遠くにはなく、すでにあるものを慈しむことや知っていることを日々積み重ねていくことなんだとわかって、気持ちが安定しました。
モモ先生の「よく頑張ってきたね」が、今まで抱いていた葛藤や決意をも全て含んでの言葉に思えてきて、ジーンとしました。私も生徒さんに「よく頑張っているね」「よく来てくれたね」と言える先生でありたいなと思います。
大抵、自分が頑張っていることには気づかないものなので、無理のない範囲で外に出てみるのはいいですね。ヨガでもそれ以外のことでも、気持ちがリセットされて、違った視点から見られるようになりますし。
先月、モモ先生から新しいアーサナの練習方法を教えていただきました。前から抱えている怪我があるので、自分のペースで心地よくできるのは、ここまで。
「あせらず、あきらめず」
一人で黙々とヨガをするのが基本好きだけれど、見えなくなってしまうこともあるなと。そんな訳で、今年はたくさんの方々にお会いし、刺激をいただく年にしようと思っています。