身体の言い分を聞く

ヨガ

ヨガをすることによって起こる「痛み」については、何度言っても足りないくらいだと思っているので、再度書いてみました。

筋肉痛はみんながだいたい通る道で「ふふふ。来ちゃいましたか。」という会話で済みますが、関節や靭帯の痛みについては、特に見て見ぬ振りはできません。もし違和感を覚えたなら、無理をしないでストップしてOKです。むしろ、そうしてほしいと生徒さんには伝えています。そのまま続けていくと慢性的な痛みとなることもあります。

健康のためにヨガをしているはずなのに…です。
痛みが出ないような身体の使い方へ軌道修正することが必要なサインかもしれませんし、そのアーサナ(ポーズ)を今は完全に飛ばして、できるところに意識を向け、深めて行くことが大切な時期なのかもしれません。

身体は一人一人違います。
足踏みや後退する勇気が必要な時って、あるんですよね。
これは、自分への言葉でもあります。

私は、昔から右股関節の可動域に制限があります。幼少期からの座り方やずっと続けていたスポーツによる影響が原因だったりするのですが、過去に何度か怪我をしているので、どうしても負担がかかると痛みが生じてしまいます。ヨガを始めたばかりの頃は特に、次々にポーズができるようになるのが楽しくて、自分の身体からの訴えにはかなり鈍感だったように思います。今でもチャレンジしたい気持ちが高まると、身体の声を感じにくくなってしまうのです。そういう時こそ、細部に意識を向けるように気をつけています。

先生方から「もっとできそうだよ」というご指導をいただいたときには、一瞬試してみたくなるのですが、一旦その言葉を有り難く心にしまった後、なるべく気持ちを無にして私の右股関節に尋ねてみるんですね。思いっきり駄々をこねているようだったら言い分を最優先させてヨガを楽しむことに決めています。そうしていくうちに、また最近になって準備が整いはじめて、前に進める身体が少しずつでき上がってきました。不思議なものです。あれこれすると逆効果。「放っておく」が一番効き目ありました。

きっと今後もこんなことを繰り返して行くことになるのでしょうが、ヨガを伝えていく上では、この厄介とも思える右股関節との悪戦苦闘がプラスに働いているように思います。

生徒さん達には、毎回始まる前に体調と痛みがないかをしつこく聞いています。私がいい例ですが、無理しがちな人はどうしても外に気持ちが向いてしまいます。クラス中にもしつこく繰り返して尋ねるのは、伝えたことを忠実に守る以上に、自分の身体の声を聴きながら慎重に試してほしいからです。

形や言葉だけに捉われすぎず、自分の特徴を理解して、内観して、安全にヨガを深めていきたいですね。