強行遠足終了

日記

高校の強行遠足で、72Kmの道のりを走り終えた息子は、いつも通り軽やかで、ケロっとしていた。

完走後、堤防で仲間としばらく寛ぐ

順位やタイムがいいに越したことはないし、余裕があるなら「もっと必死になりなよ」と思わなくはないけれど、幼い頃からこのキャラクターを貫いてきているから、「今回も、やはりね」という気持ちになる。部活の仲間と歌を歌ったり、関門で餅入りのお汁粉を山ほど食べたり。「強行遠足って、観光みたい」と話しながら進んだようだ。大変な事を楽しんじゃうところは、羨ましくさえ思う。

そして、何より、母としては「無事にゴールしてくれてよかった」ただ、それだけ。

1つ、私の残念なミスは、ゴールする瞬間を見逃してしまったこと。よくも悪くも、予想を裏切る展開が最後に待っていた。

息子は、折り返し地点から、どんどんペースを落としていたので、ゴール1つ手前の関門で「頑張って!」と一声かけた。反応に元気がなく、「あの様子では、結構時間がかかるな」と思い、気長に待つ事を決めた。ゴールまで、残り6Km。時速5Kmで進んでいる計算だったので、1時間はかかるだろうと予想した。私の妹と一緒に、甥っ子や仲間達の生存確認をしながら、ゴール地点へ。

息子は、待てども待てども、一向に現れない。変だなと思って辺りを見回してみると、すでにゴールしていて、涼しい顔でうどんを食べていた。どうも、私が一声かけた後に、爆走したらしいのだ。結果を見ると、時速11Kmまでペースを上げたので、かなり頑張ったのだと思う。

「母の声が力になった?」と息子にしつこく聞いたら、ニヤッと笑って「うん」と言った。けれど、本当は、最後の最後で「この順位で終わっていいのか?」と思ったようだ。

「もっと早く気づいては?」という言葉を飲み込んで、息子に「強行遠足を一言で表すと?」と聞くと、「体より心が辛かった」と言った。

軽やかそうに見せているけれど、必死だったはずだ。72Kmを走るなんて、さらっとできるわけがないのだから。最後に粘れる強さは、確実に高校に入ってから得たもの。

いつも通りと、少し大人になった姿を存分に味わった1日。ありがとう。お疲れ様。